最初にゲイリーC.K.ホァンRI会長のプロフィールをご紹介いたします。
 ホァン会長は、1945 年中国南部生まれ、台湾育ちです。米国のイースタン・ミシガン大学を卒業。現在は新光セキュリティー会社の名誉会長となっておられます。1976 年、31 歳の時に台北市のロータリークラブに入会され、その後地区ガバナー、RI の理事、副会長、各委員会の委員長を歴任されました。コリーナ夫人との間に、息子さんが1 人、娘さんが2 人おられ、全員がメジャードナーでいらっしゃいます。コリーナ夫人は、台湾に生まれ、大学では文学を学ばれ、現在は画
家として大変活躍されていらっしゃいます。

 ゲイリーC.K.ホァン会長の掲げた、本年度RIのテーマは「LIGHT UP ROTARY」(ロータリーに輝きを)であります。「世界では常に多くの人々が助けを求めています」と述べ「537 名のガバナーで、解決に向けて動き始めましょう」と呼びかけました。「世界には問題が山積みですが、“ 自分には出来ない” と言って、何もしなければ、暗闇のままです。その暗闇にロウソクを灯すのがロータリーです。私が一本、あなたが一本。こうして、120 万人の会員全員がロウソクを灯します。力を合わせれば、世界を光で輝かせることができるのです」と説きました。「ただ座って暗闇を嘆くよりも、ロウソクを灯したほうがいい」という孔子の言葉に感銘を受け、ホァン会長は、「LIGHT UP ROTARY」(ロータリーに輝きを)をテーマとすることを発表したのです。ホァン会長は、このスピーチで本年度のテーマを発表するとともに4 項目について言及されました。

それは
1.会員増強について
2.寄付について
3.ロータリー・デイの開催について
4.ポリオ撲滅について
の4項目です。

1.「会員増強について」
世界の会員数を120 万人から130 万人に増やすという目標について話されました。「活気あるクラブを築くために、まず新会員を迎え入れることから始めよう」と呼びかけ、女性会員の必要性については、ロータリアン全員の伴侶の方々もロータリアンであるべきだと提案されました。

2.「寄付について」
ロータリーに関係する全員は、ロータリー財団の恩恵を受けており、従って全員で財団を支えなければいけないと、寄付の必要性を述べました。

3.「ロータリー・デイの開催について」
地域社会での「ロータリー・デイ」の実施、各地区ローターアクトやインターアクトメンバーと一緒に奉仕プロジェクトを実施することを呼びかけました。

4.「ポリオ撲滅について」
今の勢いを保てば、2018 年までにポリオを完全に撲滅する。ポリオを撲滅すれば、ロータリーが偉業を成し遂げる力を備えた組織であることが実証されるのです。

このテーマに基づいた、第2780 地区本年度の取り組みについてお話しをさせて頂きます。

次の3点
1.会員維持・魅力あるクラブ そして会員増強
2.公共イメージと認知度の向上
3.寄付の獲得
を重点実行目標の3 本柱に据え、実現したいと存じます。

1.会員維持・魅力あるクラブ そして会員増強
 会員増強、会員増強、会員増強!と私達は耳にタコが出来るほど聞いています。
一方では
・ うちのクラブの会員数はこれで充分だ
・ 今の人数で皆仲良くやっている
・ 今の人数で奉仕活動も楽しく出来ている
・ 会員を増やして今の状態を変える必要がない
・ 闇雲に会員を増やすのは考え物で、量より質を重視したい
と言うご意見を耳にする事があります。
これらは、クラブにおける活動が順調に行われている事の表れであり、また「量より質を重視したい」というご意見も正しいと思います。しかしだからと言って会員増強は必要ないという事はありません。そして「質」も大切ですが、時として「量」が大切な事もある。「数の力」も必要なのです。

 何故今会員増強をしなければいけないのか?
その大きな理由を2 つ挙げると
まずその第1 は「このまま減少して行くと第2780 地区の会員は27 年後に〝0〟になる可能性がある」という事です。
日本ではこの10 年間で26%減少であり、第2780 地区については28%減少です。この減少率に歯止めがかからなければ、27 年後に2780 地区の会員は〝0〟になる可能性があります。
 そのような状況の中で、一昨年の2012 ~ 13年度は38 名の純増、昨年の2013 ~ 14 年度は90 名の純増、2年間で128 名の純増と、素晴らしい実績で会員を増やしております。しかしながら一昨年の退会者は169 名、昨年の退会者は137 名と退会防止は思うに任せません。つまり、この2 年間で306 名の退会があります。もし、一昨年、昨年の退会者が0だとすれば、2012 ~ 13 年度では207 名、2013 ~ 14 年度では227 名、合計434 名の純増だったのです。退会防止を推進すれば、いかに大きな会員増強となることが分かります。
本年度会員増強計画は252 名
10 月27 日現在92 名入会、入会予定者39 名を含めると131 名、計画達成率52%になります。しかし、8 月で16 名、9 月で8 名の退会者がございます。

第2 は、「会員減少により、ロータリーは有効な活動が困難になる」という事です。
会員減少が進みますと、ロータリアンであることの価値が低下し、そしてクラブの影響力も低下し、有意義な活動は困難になります。発展、強化して行くために「量」、つまり「数の力」がどうしても必要になる時もあるのです。

 世界には、この10 年間会員を着実に増やしている国がございます。ドイツ、イタリア、スイスの3 カ国ですが、これらの国では、ロータリークラブの基本的な理念や魅力が正しく理解され、実践されているからこそ会員が増えているのではないでしょうか。つまり基本的な事こそが大切と言えるでしょう。

 去年まで、慶応義塾大学野球部の監督をしていた江藤省三氏は、元巨人や中日で活躍したプロ野球選手でした。江藤監督は4年間で、東京六大学野球春季リーグ戦優勝を2 年連続で成し遂げるほどチームを強くしましたが、江藤監督が行ったことは、プロの技術を伝授したわけではなく、「素振りの数を増やした」だけだったのです。基本というものが如何に大切か分かります。

 テニス全米オープンで、準優勝を成し遂げた錦織圭選手は天才的なプレーヤーであるが、コーチのマイケル・チャンは錦織選手に来る日も来る日も「素振り」だけを繰り返させた。また、巨人やヤンキースで活躍したプロ野球選手松井秀喜選手も天才的スラッガーです。ミスタージャイアンツ長嶋茂雄監督の愛弟子ですが、長嶋監督も松井選手に対して、素振りだけを毎日繰り返すように指導した。

 やはり、ロータリーも基本的精神に忠実に行動することが大切であると思います。それでは、2014 ~ 2015 年度 第2780 地区の会員増強(退会防止・魅力あるクラブ)における具体的な実行目標を申し上げます。

① 退会防止を強化したい
 退会者の主な理由を挙げます。
Ⅰ.病気
Ⅱ.死亡
Ⅲ.老齢のため
Ⅳ.家庭内の問題
Ⅴ.仕事上の問題(役職の定年、転勤)
Ⅵ.経済的な理由(金銭的負担の問題)
Ⅶ.クラブ内の問題(親睦の欠如、会員自身の認識不足、会員間のトラブル)
Ⅷ.ロータリー情報の欠如

 この中で、Ⅶ.クラブ内の問題(親睦の欠如、会員自身の認識不足、会員間のトラブル)Ⅷ.ロータリー情報の欠如について解決の為の行動をとらなければいけないと思います。

a.新会員の情報教育は情報委員だけに任せずクラブ会員全員で当たる。
b.新会員には、すぐに役割を与える。
c.推薦者は永久的に、その会員のスポンサーとなり、責任を持つ事。
d.例会の雰囲気を楽しいものにし、新会員に気を配る事。3配り(目配り・気配り・心配り)を忘れないでほしい。
e.入会前に推薦者が候補者の家庭を訪問し、あらかじめ夫人と職場の理解と協力を求める事。
f.ロータリーはまず、家庭からだと言う事を忘れてはいけない。
g.メイクアップを推進して、他クラブを勉強させる。

 退会防止の推進において、以上の行動をとってほしいと思う。要は、コミュニケーションが大切と言う事です。危険が伴う登山においても「なんでもない挨拶」が大事だそうです。
 日本の有名な登山家である湯浅道男(ゆあさみちお)は、自らの登山経験の中から興味深い言葉を残しています。それは「朝起きたらオハヨウと大きな声で挨拶するパーティーは事故を起こさない」という言葉です。
 私達も、お互いに良い挨拶を交わし合いましょう。そして、新会員には積極的に声をかけコミュニケーションを良くしてまいりましょう。

 はじめから、素晴らしい人材を入会させるのが理想です。しかし、私達の手で入会させた方を素晴らしいロータリアンに育てるという意識も、持つべきだと思うのです。企業において必要なものは「人・物・金・情報」です。この中で最も重要なのが「人」です。そして「人」を育てられるのは、「人」だけ。同じ様に「ロータリアン」を育てられるのは「ロータリアン」なのです。

② ローターアクト会員の増強をしたい。
 当地区には、相模原・鎌倉・横須賀・小田原城北と4つのローターアクトがあります。会員数は、相模原13 名、鎌倉8 名、横須賀7 名、小田原城北8 名で合計36 名います。ローターアクトの会員数を増強することが、ロータリーの会員増強につながります。

③ 女性会員の拡大をしたい。
 世界120 万人のロータリアンの内 女性会員は、22 万人で全体の、僅か18.3%です。
 日本のロータリアンは88,030 人で、女性会員は4,242 人 4.82%、第2780 地区のロータリアンは2,245 人で女性会員は171 人 7.62%でございます。

 当地区の女性会員の割合を10% にしたいと思いますので、会員225 名純増の内74 名の女性会員拡大を目標と致します。
 安倍改造内閣は、支持率が約60%と評価されています。その大きな要因の一つが5人の女性閣僚を誕生させた事によるものです。女性の感性を取り入れることは重要です。安倍首相は「女性が夢にチャレンジできる社会」を2020 年までに実現する為、女性の指導的地位に占める割合を30%にする目標を掲げました。女性の感性を取り入れる事は重要です。

④ 40 歳代会員の拡大をしたいと思います。
 第2780 地区会員構成を世代別に申し上げます。
   20 歳代 0.1%
   30 歳代 2.1%
   40 歳代 17.0%
   50 歳代 22.1%
   60 歳代 30.8%
   70 歳代 20.9%
   80 歳代 6.2%
   90 歳代 0.7%
でございます。当地区の30 歳代会員の割合を5%に、40 歳代会員の割合を20% にしたいと思いますので、会員225 名純増の内、30 歳代を65 名、40 歳代を69 名にしたい。

⑤ 新会員に対してカウンセラー(スポンサー)方式を取り入れて行く。また、全員で新会員に気を配る。

⑥ クラブ会費の見直しを行う。

 
⑦ クラブ例会の開催日、時間の見直しをする。

⑧ クラブ会長の熱意、姿勢が重要であり、意識高揚を図って行く。

⑨ 退会者の再入会を期待して、週報を送る。(退会時の理由について検証し、ターゲットを絞る必要がある)

⑩ クラブのホームページをリニューアルする事。

【※後編に続く】

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